未来へのヒント

「選択肢が見えるまちがいい」クイズ王・伊沢拓司が語る“住みやすいまち”の条件とは？

　山崎怜奈さんがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。(ダレハナ)」にて、期間限定コーナー「誰かと話したい2100年ミライのまち supported by 江戸川区」を放送中。2か月に一度、江戸川区とゆかりのあるゲストが登場し、あらゆる人がともに生きる、未来のまちの姿についてお話を伺いながら、江戸川区のみならず、日本、そして未来の住みよい世界について一緒に考えていきます。

　1月29日（月）に放送したコーナー最終回では、東大発の知識集団QuizKnockの伊沢拓司さんをゲストに迎え、クイズへのこだわりや「住みやすいまち」の条件について語っていただきました。

クイズ作りは“遊べて”、“楽しい”がベース

　伊沢さんが代表をつとめる東大発の知識集団「QuizKnock」では、クイズにまつわるさまざまな案件を手がけており、先日公開したクイズコンテンツ「江戸川区ナンⅡ～QuizKnockの挑戦!〜」の問題制作も担当いただいています。

　数多くの問題を日々生み出している伊沢さんに、クイズを制作するときにどのようなことを意識しているかを伺うと、「“遊べて、楽しい”というのがベースにあるんですけど、そのうえで問題を作ったメッセージが見えてこないと、どうしようもないですよね」と回答。
　「江戸川区ナンⅡ～QuizKnockの挑戦!〜」の問題制作においても、「“江戸川区”という多様なまちの共生社会ぶりをクイズでアピールすることがゴールだったので、そういったことを面白く、かつメッセージが伝わる問題になっているかなと思う」とお話しいただきました。

江戸川区内から“減っているもの”って何？

　番組内では、「江戸川区ナンⅡ～QuizKnockの挑戦!〜」から1問、クイズを出題しました。

　問題：“江戸川方式”と呼ばれる方式で整備された歩道が増えたことで、江戸川区内から減っているものはなんでしょう？

　①段差
　②電柱
　③騒音

　江戸川区出身の山崎さんは、「昨日、実家に帰りましたけど、なんだろうな……」と首を傾げていましたが、正解は「①段差」。
　車いすの方やベビーカーを使っている方からすると段差がないに越したことはありませんが、例えば、視覚障害を持つ方のなかには、段差で車道と歩道を区別している人がいるため、一概に“段差をなくせばいい”というわけではありません。
　そこで江戸川区は、点字ブロックと段差解消を併設したユニバーサルデザイン「段差解消ブロック」 を発案。「これを江戸川区の方が、区民とコミュニケーションを取りながら作ったことから“江戸川方式”と呼ばれるようになりました」と伊沢さんが解説します。それに対して、山崎さんは「確かに、歩いているとお年寄りの方や小さいお子さんとよくすれ違ったりするので、そういう方にも“過ごしやすい環境づくり”というのが大事ですよね」と賛同していました。

>「江戸川方式」関連サイト

未来に住みやすいまちを残すために必要なことは？

　コーナータイトルに含まれている「2100年」には、いま生まれた子どもたちが平均寿命を迎える頃にも“住みやすい江戸川区を持続的に残す”という思いが込められています。そこで、伊沢さんに“住みやすいまち”の条件を伺うと、「“選択肢が見えるまち”がいいなと思います。」と回答。

　「不平等や格差などを完璧になくすことは難しいと思いますが、それを“どうすれば変えられるのか”が分かる政治的な選択肢が見えたり、まちのなかにロールモデルとなる人がいるといいなと思います。それこそ江戸川区って、以前はインド出身の区議会議員さんがいましたし、今回のクイズは幅広い共生社会をテーマにしていますけど、そうした考えは未来に向けてすごくいいことだと思います」と、今回のクイズを振り返りながらお話しいただきました。